「枠」という概念からの解放。それが、配信プラットフォームがもたらした最大の革新だったと彼は振り返る。かつてテレビドラマといえば、54分という決められた尺、CMを挟む構成、そして毎週決まった時間に放映されるフォーマットに縛られていた。しかし、Hulu JapanやNetflix、HBOといったグローバルプレイヤーの台頭によって、制作者側の「語り口」は根本から変容を遂げた。
動画配信プラットフォームにおける制作の裏側には、緻密なデータ分析と徹底した作品至上主義のせめぎ合いが存在する。「再生開始から数分で視聴者の心を掴めるか」「国境や言語の壁を越えて感情を揺さぶることができるか」。現場での議論は時に熾烈を極めるという。単に派手な演出を重ねるのではなく、人間の内面に潜む普遍的な葛藤をどこまで深く彫り込めるか。そこがヒット作を生み出す境目となるのだ。