ロック評論家やプロミュージシャンの間で、人見元基は今なお「日本が生んだ歴代最高峰のロックボーカリスト」として名前が挙がります。その歌声が他の追随を許さない理由は、単なる声域の広さだけではありません。
第一の強みは、太く強靭な中低音から一気に突き抜ける4オクターブ超の超絶ハイトーンです。喉を締め付けることなく、豊かな共鳴を保ったままシャウトを炸裂させるベルティング技術は、黒人ソウルシンガーにも匹敵するエネルギーを誇ります。ディープ・パープルの名曲『Burn』やVOW WOWの代表曲『Hurricane』『Shot in the Dark』で聴くことができる声の厚みは、欧米の著名ボーカリストたちをも唸らせました。
第二の決定的な要素は、完璧な英語のディクション(発音・イントネーション)です。多くの日本人シンガーが直面する言語の壁を軽々とクリアし、イギリス現地メディアのインタビューでもネイティブと遜色のない流暢さで受け答えを行っていました。歌詞のニュアンスを完全に咀嚼して魂を吹き込む表現力があったからこそ、海外のリスナーにもダイレクトに感情を届けることができたのです。