昭和から平成初期にかけては、渡辺淳一の小説作品のように、既婚者の男女関係は情熱的で破滅的な愛憎劇として描かれることが主流であった。2010年代に社会現象を巻き起こしたテレビドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』においても、禁断の恋とそれに伴う罪と罰のリアルな葛藤が物語の主題とされていた。
しかし、近年のメディア環境は大きく変化している。NHKの深掘り報道番組で多様化する家族観や心の孤立が真摯に取り上げられる一方で、ABEMAやNetflixといった動画配信プラットフォームでは、ドロドロとした愛憎劇ではなく、現代人の等身大の距離感を探る恋愛ドキュメンタリーやリアルな検証コンテンツが若い世代から中高年層まで広く支持されている。過剰なドラマ性よりも、個人の尊厳と心の居場所を重視する視点が定着しつつある。