こうした店舗の多くは、1日に1組から数組程度しか客を受け入れない。効率や回転率を重視する都市型のレストラン経営とは対極に位置するスタイルだ。席数を意図的に絞る理由は明快で、ゲスト一人ひとりに対して完璧な体験を提供し、かつ自然環境への負荷を最小限に抑えるためである。
ゲストは単に食事をするだけでなく、シェフのストーリーを聴き、薪割りやハーブ摘みのワークショップに参加することもある。この密でパーソナルな関係性こそが、一度訪れた者を虜にし、リピーターの輪を広げている要因だ。不便な場所にあるからこそ、たどり着いた時の達成感と特別感は増大する。