インフルエンザを早く治す食事を考える上で最も重要なのは、発症からの経過時間と症状の重さに応じて口にするものを柔軟に変えていく視点です。体内ではサイトカインと呼ばれる免疫物質が大量に放出されており、体温を上げてウイルスを不活性化させようとしています。この時期の消化管は血流が減少し、通常の食事を処理する能力がありません。
発症直後から48時間前後の発熱時における栄養補給では、消化を必要としない糖質と水分の補給が生命線となります。体温が1度上昇するごとに基礎代謝量は約12〜13%増加し、不感蒸泄(呼吸や皮膚から失われる水分)も跳ね上がります。脱水症状を防ぎつつ、脳と免疫細胞の唯一の即効性エネルギー源であるブドウ糖を補給するため、インフルエンザの水分補給には経口補水液(OS-1など)やスポーツドリンク、ブドウ糖入りのゼリー飲料が極めて合理的です。
激しい咽頭痛を伴う場合は、喉が痛い時の食べ物として刺激が少なく摩擦抵抗の小さい形状が求められます。酸味の強い果汁や塩分の濃いスープは粘膜の知覚神経を刺激して激痛を走らせるため、常温に近づけたポタージュスープ、茶碗蒸し、絹ごし豆腐などが痛みを最小限に抑えつつアミノ酸を補える優れた選択肢となります。