「京扇子」という名声の陰で、長らく“黒衣”に徹してきた高島の扇骨。しかし、滋賀県扇骨生産工芸組合は今、その自負と技術力を前面に出した新たなブランディングに乗り出している。
扇骨づくりは、切り出し、削り、穴あけ、要(かなめ)打ちなど、各工程を専門の職人が担う完全な分業体制によって成り立ってきた。このシステムは極めて高い専門性を生む一方で、どこか一つの工程が途絶えれば全体が立ち行かなくなるという脆さも孕む。同組合では、分業の強みを活かしつつも、各工房の技術をオープンにし、連携を深めることで「高島ブランド」の確立と生産体制の安定化を目指している。