「紙の契約書を作ったが、印紙を貼り忘れてしまった」という事態が発生した場合、税法上極めて厳しい制裁措置が待っています。
国税庁の税務調査によって印紙税の貼付漏れが発覚した場合、本来納付すべきであった印紙税額に加え、その2倍に相当する過怠税が徴収されます。つまり、本来の税額と合わせて「合計3倍(300%)」の金額を納める義務を負うことになります。
ただし、税務署からの調査通知を受ける前に、自ら貼り忘れに気付いて自主的に申告(不納付事実申出書の提出)を行った場合は、過怠税のペナルティが10%に軽減され、合計で「1.1倍(110%)」の納付で済みます。誤りに気付いた段階で速やかに自主申告を行うことが傷口を広げない鉄則です。
なお、法的な盲点として「印紙を貼っていない契約書であっても、契約そのものの民法上の効力は完全に有効」です。印紙税の不納付はあくまで行政上の脱税問題であり、契約当事者間の合意や権利義務関係が無効になるわけではありません。しかし、法廷闘争や公的機関への書類提出時に印紙の不備があれば、裁判所や関係機関から税務当局へ通報されるリスクを常に背負うことになります。