1970年代、日本の音楽シーンを完全に席巻したのは郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎の3人だった。彼らが体現したスタイルは、現代のJ-POPやダンス&ボーカルグループの原点と言っても過言ではない。洗練された都会的ポップスで魅了した郷、ワイルドなシャウトと圧倒的アクションでスタジアムを沸かせた西城、そして抜群の歌唱力と凄腕のギターテクニックで音楽通を唸らせた野口。見事なまでにキャラクターが分散していた。
この時代の昭和歌謡は、彼ら3人の存在によって空前の黄金期を迎えた。テレビの前で狂喜した視聴者たちは、自身の推しをチャートの頂点に押し上げるべくレコード店へ走り、リクエストハガキを書き続けた。この熱量の高いファン主導の構造こそが、現在の推し活文化のルーツである。