1992年、日本テレビ系列で放映を開始した『進め!電波少年』が持ち込んだ最大の革新、それはアポなしロケという手法だった。事前の許諾など一切取らず、カメラとマイクだけを頼りに突撃するスタイルは、それまでの整然としたテレビ番組の文脈をあざ笑うかのように破壊した。
若き日の松村邦洋が挑んだロケは、まさに命がけの連続だった。海外の紛争地域への潜入から、危険なネオナチ勢力へのアプローチ、果ては渋谷のチーマーに絡まれ暴行を受ける危機に直面するなど、一歩間違えれば惨劇につながるロケーションが日常茶飯事としてカメラに収められた。
企画の過激化に伴い、PTAや放送倫理機関からの批判は苛烈を極めた。だが、その批判すらもエネルギーに変換するかのように、番組はより刺激的で不条理な企画へとアクセルを踏み込んでいったのだ。