網戸や洗濯物に張り付いた卵を見つけると、思わず指先やティッシュで握り潰したくなりますが、カメムシの卵を潰してはいけない理由は明確に存在します。第一に、潰した瞬間に卵内部の粘着性体液や未成熟な色素が繊維の奥まで染み込み、洗濯しても取れない黄ばみや頑固なシミの原因になるためです。
また、カメムシ卵の毒性と悪臭の真相について言及すると、卵そのものは成虫のような強烈な悪臭分泌液(アルデヒド類)を放つ器官が未発達なため、産み立ての卵から強い臭いが出ることは稀です。しかし、孵化直前の卵を潰してしまうと、内部ですでに形成された幼虫が破裂し、特有の青臭い刺激臭を撒き散らすリスクがあります。さらに、アレルギー体質の人が潰れた体液に直接触れると、皮膚炎やかゆみを引き起こすケースも報告されています。
「面倒だから」と見過ごすのも極めて危険です。カメムシ卵の孵化日数と時期は気温に大きく左右されますが、初夏から初秋の温暖な気候下では産卵からわずか1〜2週間(約7〜14日)で一斉に孵化します。放置すれば、部屋の中やクローゼットの中で数十匹の幼虫が一斉に這い出し、成虫へと成長して悪臭被害をもたらす悪夢のような事態に直結します。