松平健さんの子育てを語る上で避けて通れないのが、実母である元女優・松本友里(まつもと ゆり)さんとの別れです。松平健さんと松本友里さんは2005年に結婚し、翌年に健太さんが誕生。しかし、2010年11月、健太さんがまだわずか4歳(幼稚園年中)の時に、松本友里さんは42歳の若さで自宅にて急逝しました。
当時、松平健さんは舞台公演の真っ最中であり、突然の訃報に日本中が深い悲しみに包まれました。会見で気丈に振る舞いながらも無念の涙をにじませた松平健さんは、残された幼い息子のために「自分が母親の分まで愛情を注ぎ、立派に育て上げる」と固く決意しました。
そこから始まったシングルファザー生活は、想像を絶する過酷さでした。舞台の地方巡業や早朝からのドラマ撮影があるなかでも、松平健さんは家政婦任せにせず、可能な限り自らの手で食事を用意し、毎朝5時に起きて手作りのお弁当を持たせました。「卵焼きの味付けひとつとっても、息子の好みに合わせて試行錯誤した」と後にテレビ番組で振り返っています。幼稚園や学校の送り迎え、運動会などの学校行事にもスケジュールの許す限り自ら足を運び、父子の絆を深めていきました。