フランスパンの代表格であるバゲットとカンパーニュは、一見すると同じハードパンに分類されますが、その出自と製法構造は根本から異なります。パンドカンパーニュ バゲット 違いの核心は、使用する粉のブレンド比率と発酵アプローチに集約されます。
都会の象徴として細長く焼き上げられるバゲットは、主に精製された小麦粉(準強力粉)、水、イースト、塩のみを使い、ストレートに小麦の香りと軽やかな気泡の抜け感を楽しみます。一方、フランス語で「田舎パン」を意味するカンパーニュは、農村地帯で大型のパンを共同窯で焼き、数日間かけて家族で分け合って食べる保存食として発達しました。そのため、小麦粉だけでなくライ麦粉や全粒粉を10〜30%程度ブレンドし、ミネラルと食物繊維を豊富に含んでいるのが大きな特徴です。
一口かじった際に感じる心地よいカンパーニュ 酸味の理由は、自然界に存在する野生酵母や乳酸菌を共生培養させた「ルヴァン種(自家製発酵種)」を用いて長時間低温発酵させているためです。乳酸菌が生成する乳酸や酢酸などの有機酸が、パンに複雑なアロマと爽やかな酸味をもたらします。この酸味は品質の劣化ではなく、雑菌の繁殖を抑えて日持ちを向上させると同時に、グルテン構造を緻密にして独特のもっちりした弾力を生み出す伝統の知恵なのです。