岡山県警察シンボルマスコットとして広く定着している「ピコちゃん」の正体は、平成初期の警察刷新運動の中で誕生した公式キャラクターです。岡山県民の安全と安心を守る警察官の姿勢を、親しみやすく象徴するためにデザインされました。
ピコちゃんのビジュアルにおける最大の独自性は、その明確なモチーフ設定にあります。モデルとなっているのは、岡山県のシンボルである県鳥「キジ(雉)」です。岡山県は古くから桃太郎伝説の舞台として知られており、鬼退治の頼もしい仲間として登場するキジは、県民にとって勇敢さと知恵を象徴する馴染み深い鳥です。
公式発表資料によると、ピコちゃんの愛らしい丸みを帯びたフォルムは「県民に寄り添う温かさ」を、頭部に輝く警察官の制帽と凛とした眼差しは「悪を許さない厳正な法執行精神」を同時に体現しています。羽や体色のカラーリングにも、岡山の豊かな自然と晴れの国をイメージさせる爽快な色彩設計が施されています。
また、「ピコちゃん」という愛称の命名経緯にも、当時の広報改革の意志が色濃く反映されています。一般公募を経て選定されたこの名前には、小鳥の愛らしい鳴き声の響きとともに、Police(警察)・Information(迅速な情報提供)・Communication(県民との対話と信頼)という、近代警察活動に求められる3大要素が頭文字として重ね合わされています。