「家族風呂にカップルで入ると違法になるのか」という疑問を持つ人は少なくありません。法的な結論から言えば、国の法律(公衆浴場法)そのものが未婚カップルの混浴を一律で犯罪として処罰しているわけではありません。問題となるのは、自治体ごとに定められた「公衆浴場法施行条例」における風紀基準です。
公衆浴場法第4条には「風紀を乱すおそれのある行為を防止するために必要な措置を講じなければならない」という趣旨の規定が置かれています。これを受け、各自治体は条例で「原則として男女を混浴させないこと」を義務付けており、家族風呂はその例外規定として「生計を一にする親族」「夫婦およびその家族」に限り混浴を認めるという構造を取っています。
そのため、条例で厳格に「親族限定」と規定されている地域にある日帰り温泉施設では、店舗側が未婚カップルの入浴を許可すると施設側が営業停止や指導などの行政処分を受けるリスクを負うことになります。施設が利用を断るのは、意地悪ではなく法令遵守(コンプライアンス)上のやむを得ない防衛策なのです。