ガロウはワンパンマンで死亡した?サイタマ戦の真相と現在を完全解説

ガロウはワンパンマンで死亡した?サイタマ戦の真相と現在を完全解説

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『ワンパンマン』を語る上で避けて通れないのが、原作者であるONE氏によるWEB原作版と、村田雄介氏が作画・共同構成を務める『となりのヤングジャンプ』連載版(村田版)における決定的なプロットの違いです。ガロウ編のクライマックスは、両媒体で最も大胆なアレンジが施された箇所といえます。

原作ONE版におけるサイタマ対ガロウは、どこまでも「思想のぶつかり合い」として描かれました。サイタマはガロウの圧倒的な暴力に微動だにせず、「お前がやりたいのは怪人ごっこだろ」「ヒーローになる自信がないから怪人という妥協を選んだ」と、ガロウの甘えや矛盾を痛烈な正論で徹底的に論破します。神の介入や宇宙空間への跳躍、タイムトラベルといった超常ギミックは一切存在せず、精神的に完全にへし折られたガロウが、タレオの叫びに救われて静かに夜の闇へ消え去るという、冷徹かつ人間臭い幕切れでした。

対照的に村田版では、作品全体を通底する最大の謎である「神」の脅威を前倒しで可視化させる構成が取られました。サイタマの底知れない強さを読者に再認識させるため、木星のガス層がサイタマの「マジくしゃみ」で吹き飛ぶような銀河規模のスケールへと拡張。さらに、ガロウが自身の力で取り返しのつかない惨劇(タレオの死)を引き起こして心底後悔し、自らを犠牲にしてサイタマへ過去改変の技を託すという、劇的で情動的なアンチヒーローの贖罪劇へとリビルドされたのです。

この村田版の変更に対しては、連載当時にネット上で「規模が大きくなりすぎて収拾がつくのか」「原作の精神的論破というキレ味が薄れたのではないか」といった賛否両論の議論が巻き起こりました。しかし、結末を迎えた現在では、壮大なSF的カタルシスを満たしつつ、後述するバングとの深い師弟愛の物語へと綺麗に着地させた点が高く評価されています。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。