視覚芸術としてのイラストにおいて、デザインの完成度は創作意欲を左右する極めて重要な要素です。石森章太郎(のちの石ノ森章太郎)氏が手がけた電波人間タックル スーツ デザインは、半世紀前の作品でありながら驚くほど洗練されています。
モチーフとなったのは、幸運の象徴としても知られる「テントウムシ(七星天道)」です。深紅のボディに黒のドット、胸元のプロテクター、そして風になびく黄色いマフラーの配色は、視認性とヒロインとしての華やかさを完璧に両立させています。特に特徴的なのが、目元と髪をあえて露出させたヘルメットの構造です。フルフェイスマスクが主流の仮面ライダーシリーズにおいて、演者の生きた表情と黒髪を覗かせるアプローチは、キャラクターの人間性と儚さを際立たせる決定打となりました。
また、電波人間タックル 変身シーンの演出も見逃せません。両手を交差させ「エレクトロ・ファイヤー!」の掛け声とともに電波エネルギーをスパークさせて変身するシークエンスは、当時の子どもたちに鮮烈な印象を与えました。多くの岬ユリ子 イラストが変身前後のグラデーションや光の軌跡をモチーフにするのは、この変身プロセスの美しさがクリエイターの脳裏に焼き付いているからにほかなりません。