横溝重悟の初登場は、単行本第34巻・TVアニメ第284-285話「中華街 雨のデジャビュ」です。横浜の中華街で発生した毒殺事件の臨場時、読者や視聴者は「いつもの静岡の横溝警部」が登場したと錯覚させられますが、直後に発せられたドスの利いた威嚇と冷ややかな眼光によって、まったくの別人であることが鮮烈に示されました。
多くの警察関係者が「眠りの小五郎」の推理を無条件で受け入れるなか、重悟は現場の保存や証拠の客観性を重んじ、小五郎の曖昧な態度に対して容赦なく切り込みます。この「探偵を安易に信じない真っ当な警察官」というポジションこそが、横溝重悟というキャラクターに強烈なリアリティを与えています。
さらに、アニメ第285話のクライマックスにおいて、逃走を図る犯人のボートへ躊躇なく飛び移り、強烈なキックと体術で瞬時に制圧したシーンは語り草です。ただ口が悪いだけの刑事ではなく、現場の第一線で修羅場をくぐり抜けてきた圧倒的な実力者であることを決定づけました。