標高1000メートルの夜を支配する蕎麦と美酒――2026年、なぜ「川上庵」は軽井沢の胃袋を掴んで離さないのか

標高1000メートルの夜を支配する蕎麦と美酒――2026年、なぜ「川上庵」は軽井沢の胃袋を掴んで離さないのか

標高1000メートルの夜を支配する蕎麦と美酒――2026年、なぜ「川上庵」は軽井沢の胃袋を掴んで離さないのかにまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

看板メニュー「天せいろ」の前に座る客の誰もが、まずその視覚的インパクトに息を呑む。器を大胆にはみ出して横たわるのは、頭から尾までカラリと揚がった特大の車海老だ。薄衣はサクサクと小気味よい音を立て、中の身は絶妙な火入れによって驚くほどしっとり、そして甘い。頭の殻の中に詰まった濃厚な味噌まで余すところなく味わい尽くせる。

だが、天ぷらだけが川上庵の武器ではない。蕎麦を手繰る前に酒と小料理を楽しむ江戸の粋「蕎麦前」の文化が、ここでは見事な現代リゾートダイニングの一皿へと昇華している。しっとりと火入れされた鴨ロースのタタキ、地場産クレソンと信州野菜のサラダ、香ばしく焼き上げた鴨焼きや湯豆腐。旬の食材を惜しみなく使った一品料理の数々が、酒席の会話をどこまでも弾ませる。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。