報道の数値の裏側で、最前線の海運・商社現場はどのように動いているのでしょうか。大手海運会社の運航担当者やエネルギー商社のトレーダーが語る実態からは、張り詰めた現場の空気が伝わってきます。
「ホルムズ海峡を通過する大型タンカーのブリッジ(船橋)では、通過の数時間前から全員が防弾チョッキとヘルメットを着用し、見張りを増員します。夜間は照明を極力落とし、不審な小型艇の接近に備えて放水銃を即応態勢に置く。万が一の拿捕や爆縮の恐怖と隣り合わせで運航を続けているのが船員たちの現実です」(大手海運関係者の証言)。
また、商社筋によれば、近年は「脱・中東原油」の模索が進められているものの、西アフリカや北米・中南米からの調達は輸送日数が大幅に延びる(中東航路の約2〜3倍)ため、運賃コストが跳ね上がるジレンマを抱えています。中東の圧倒的なコスト競争力と供給規模に代わる選択肢を見出すことは容易ではありません。