エコー検査で卵巣の腫れを指摘された際、最も気になるのが「悪性腫瘍(卵巣がん)ではないか」「手術が必要なのか」という点です。卵巣嚢腫の大半(約9割)は良性ですが、中には境界悪性や悪性腫瘍が混在するため、慎重な鑑別診断が行われます。
日本産科婦人科学会のガイドラインに基づき、嚢腫の性質やサイズに応じた標準的な診断基準と治療方針を以下の表にまとめました。
卵巣嚢腫の手術は何センチから検討されるのかという問いに対しては、一般的に「直径5cm〜6cm」がひとつの境界線となります。5cmを超えると茎捻転のリスクが急激に跳ね上がり、運動や寝返りといった日常動作でもねじれが生じやすくなるためです。
悪性と良性の鑑別には、経膣エコーでの充実性部分(しこり)の有無、MRI画像による内部成分の解析、腫瘍マーカー(CA125、CA19-9など)の血液検査を組み合わせて総合判断します。特にチョコレート嚢胞は40歳を超えると悪性転化(卵巣がん)の発生率が約0.7〜1%程度まで上昇するため、サイズに関わらず厳密な追跡管理が行われます。