端末が割れた直後、パニックに陥って無意識に行う操作が、事態を劇的に悪化させることがあります。現場の修理スタッフが「これだけは絶対に避けてほしい」と口を揃える代表的なNG行動が以下の3点です。
第1の悪手は、割れたガラス表面を素手で強く押し込みながら操作を続けることです。ガジェナビなどの検証でも警告されている通り、破損したディスプレイ表面には目に見えないミクロン単位の鋭利なガラス片が飛散しています。指先を負傷する身体的リスクはもちろん、指で圧力を加えることで、本来は表面のガラス割れにとどまっていた損傷が奥の有機EL・液晶パネルを物理的に突き刺し、修復不能な表示不良へと悪化します。
第2に、アルコール除菌シートや水拭きによる清掃です。「汚れたから綺麗にしよう」「テープを貼る前に皮脂を拭き取ろう」として液体を用いると、ガラスの亀裂から水分や薬品が毛細管現象で内部に吸い込まれます。現在のスマートフォンが誇るIP68相当の強固な防水・防塵性能は、画面ガラスが密閉されているからこそ機能するものです。ひび割れが生じた時点で防水性能はゼロになったと認識しなければなりません。
第3に最も恐ろしいのが、画面が誤反応を起こしている最中に放置することです。これこそが、次に解説する致命的なデータロック現象を引き起こす元凶となります。