「既存の素材を探すだけでなく、自分でお便りの片隅に紫陽花を添えたい」「自社のオリジナルイラストを手早く描きたい」というニーズも高まっています。実は、紫陽花は花の構造さえ把握していれば、絵心がなくても驚くほどバランスよく描くことが可能です。ここでは、現場のイラストレーター直伝による紫陽花イラスト簡単描き方を解説します。
第一のステップは、花びらの基本ユニット作りです。植物学的に私たちが「花」と呼んでいる部分は、花びらではなく「萼(ガク)」にあたります。中央から十字を描くように、先端が少し丸い小さな菱形を4枚並べ、中心に微小なドットを打ちます。これだけで、ひとつの小花が完成します。
第二のステップは、全体のシルエット形成です。初心者が陥りがちな失敗は、真円(ボール状)に小花を均等に敷き詰めてしまい、平面的で硬い印象になることです。これを防ぐには、まず鉛筆で薄く「いびつな楕円や雲のような外形線」を描き、その中にランダムに小花を3〜5輪描きます。すべてを描き込まず、外側に向かって小花の大きさを小さくしたり、隙間を空けたりすることが、抜け感を出す秘訣です。
仕上げの第三ステップは、葉と露のあしらいです。紫陽花の葉は幅が広く、縁がギザギザ(鋸歯)しているのが特徴です。小花の塊の斜め下に大きめの葉を2枚覗かせ、葉脈をくっきりと描き加えます。最後に白い丸や薄い水色で小さな「雨粒」を花びらや葉の上に数点乗せるだけで、みずみずしい初夏の風情が一気に立ち上がります。