起床時に「体が熱い」「微熱があるようだ」と感じるにもかかわらず、体温計で測ると36度台前半から半ばの平熱を示す現象には、人体の体温調節システムが深く関係しています。寝起きに熱っぽいが熱はない原因としてまず知っておくべきなのは、「深部体温」と「皮膚表面温度」のギャップです。
人間の体温は一日中一定ではありません。脳や内臓の働きを守る「深部体温」は、質の高い睡眠を確保するために就寝前から徐々に低下し、明け方に最も低くなります。その後、覚醒に向けて活動エネルギーを生み出すため、起床前から朝方にかけて再び上昇を始めます。この深部体温と睡眠リズムの関係において、深部体温を下げるために体は末梢の血管を拡張させ、手足や皮膚表面から熱を逃がします。朝起きたときに手足や肌が温かく感じるのは本来、熱放散が正常に行われた証拠です。
しかし、何らかの理由で熱の放散がスムーズにいかなかったり、覚醒時の体温上昇が過剰に知覚されたりすると、朝起きた時の体のほてりとして自覚されます。さらに女性の場合は、月経周期に伴うプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌により、排卵後から生理開始までの「高温期」に基礎体温が0.3~0.5℃程度上昇します。この時期は平時よりも基礎代謝が高まり、寝起きの体温が高く、熱っぽさを感じやすくなる傾向があります。