事件後、最も多くの関心を集めたのが「現場となったスポーツクラブがその後どうなったのか」という点です。事件直後は長崎県警による綿密な現場検証が行われ、ルネサンス佐世保は無期限の営業休止となりました。
運営会社である株式会社ルネサンスは、被害者支援と安全対策の抜本的見直しを実施。事件から約1か月半が経過した2008年2月1日、ルネサンス佐世保は営業再開に踏み切りました。
営業再開にあたっては、全国のフィットネスクラブでも前例のない厳重なセキュリティシステムが導入されました。正面エントランスには指紋認証や非接触型ICカードによるオートロック式ゲートを新設し、常駐警備員の配置、防犯カメラの大幅増設、館内各所への非常通報ボタンの設置など、徹底した防犯要塞化が図られました。「安全な環境を取り戻し、地域の健康づくりを再び支えたい」というスタッフや一部会員の強い願いによる再出発でした。
しかし、現実は過酷でした。凄惨な死傷事件の舞台となってしまった心理的トラウマは容易に拭えるものではなく、営業再開後も退会者が相次ぎました。新規入会者の獲得は極めて困難を極め、かつて佐世保市中心部で賑わっていた会員コミュニティは縮小の一途をたどりました。
さらに、事件から3年が経過した頃、施設の賃貸借契約の更新時期が迫ります。大幅な赤字経営が続くなか、建物の老朽化や運営維持費の高騰、風評被害の根深さを総合的に判断した結果、運営会社は契約満了に伴う撤退を決断。2011年(平成23年)3月31日をもって、ルネサンス佐世保は正式に閉鎖(閉館)となりました。これが、多くの人が疑問を抱く「営業再開と閉鎖の真相」です。