気弱な商社マンと冷徹なエリート工作員という極端なふたつの顔を見事に演じ分けた堺雅人をはじめ、追う側の警察官として圧倒的な存在感を見せた阿部寛、組織のリーダーとして静かなる狂気と愛を表現した役所広司。このレベルの主演級俳優陣が同一画面に並び立つだけでも奇跡的と言える。
二階堂ふみや松坂桃李、さらにはサプライズで登場した二宮和也に至るまで、配役のどこにも隙が存在しない。セリフの行間や視線の交錯だけで緊張感を爆発させる役者たちの「極限の芝居」は、物語の荒唐無稽さをねじ伏せる圧倒的な説得力を作品に与えていた。