マレーシアスタジアム崩壊の真相|巨大屋根崩落の原因と現在の再建状況

マレーシアスタジアム崩壊の真相|巨大屋根崩落の原因と現在の再建状況

マレーシアスタジアム崩壊の真相|巨大屋根崩落の原因と現在の再建状況を徹底追究! 知っておきたい 重要ポイントを凝縮して配信します。

世界中の度肝を抜いたスタジアム崩落事故が発生したのは、2009年6月2日午前9時30分頃のことでした。現場となったのは、マレーシアのトレンガヌ州クアラトレンガヌに位置するスルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(SSMZA)です。約2億9200万リンギット(当時のレートで約80億円規模)の巨費を投じて建設され、2008年5月のマレーシア総合体育大会(SUKMA)に合わせて華々しく開場したばかりの最新鋭・5万人収容メガスタジアムでした。

平穏な朝を切り裂いたのは、地響きのような金属の軋み音でした。直後、メインスタンド上部を覆っていた超巨大なスペースフレーム構造の鉄骨屋根がねじれ、東側屋根全体の約60%(長さ約400メートルに及ぶスパン)がスタンド席および入場ゲートへ垂直に叩きつけられたのです。鉄骨がぐにゃりと折れ曲がり、屋根材のパネルが粉々に砕け散る様子は、まるで大地震の直撃を受けたかのような惨状を呈していました。

この大惨事において、最も世界を驚かせた事実のひとつが死傷者ゼロという結果でした。通常であれば数千人から数万人の観衆で埋まるスタジアムですが、事故発生が平日午前のイベント非開催時間帯だったことが幸いしました。現場近くに停めてあった工事関係者の車両数台や重機が鉄骨の下敷きになり大破したものの、人的被害は奇跡的に免れたのです。

しかし、惨劇はこれだけで終わりませんでした。事故から約3年半が経過した2013年2月20日、崩落した残存屋根の撤去および修復工事の最中に、再び残っていた鉄骨骨組みの一部が崩壊。この二次事故では作業にあたっていた外国人労働者ら5名が下敷きとなり、重軽傷を負う事態へと発展しました。新築直後の大崩落に続く工事中の再崩壊は、現地の安全管理体制と杜撰な工事体質に対する国民の不信感を決定づけることとなりました。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。