全国の国営公園や都市公園では、民間活力を導入するPark-PFI(公募設置管理制度)などを通じてスターバックスが出店する事例がスタンダードになりつつあります。そうした潮流のなかで、敷地面積約80.6ヘクタールを誇る屈指の海上公園にスタバがないのはなぜでしょうか。その葛西臨海公園 スタバ ない理由を探ると、公園全体のマスタープランと飲食運営権の構造が見えてきます。
最大の理由は、東京都が推進してきた公園リニューアル事業において、飲食施設のプロデュース・運営が一括して特定の事業者に委託された点にあります。葛西臨海公園の主要な飲食エリアは、飲食・ホスピタリティ大手である株式会社ゼットン(ZETTON Inc.)が総合受託しており、ファミリー層向けのハワイアンレストランや、展望施設内のカフェ、バーベキュー広場などを一体的に開発・プロデュースしています。特定のグローバルチェーン単独をスポット誘致するのではなく、公園の自然景観や防災拠点としての機能と調和した「統一感ある食空間」を形成する方針が採られたためです。
さらに、2026年に葛西臨海公園駅高架下に誕生した複合商業施設「Ff(エフエフ)」の存在も挙げられます。同施設は「パークアウトドア」をテーマに掲げ、地域性やサステナビリティを重視した独自のライフスタイルブティックや飲食テナントを集積させています。ナショナルチェーンであるスターバックスではなく、公園の玄関口として個性を打ち出すテナント構成が優先された結果、現在に至るまでスタバの進出スペースが確保されてこなかったのが実情です。