2010年7月、所属事務所の吉本興業から発表された「岡村隆史の体調不良による無期限活動休止」の報は、芸能界のみならず社会全体に激震を走らせました。当時、レギュラー番組を多数抱え、冠番組『めちゃ×2イケてるッ!』や『ぐるぐるナインティナイン』、さらに深夜ラジオ『ナインティナインのオールナイトニッポン』を生放送でこなす過密日程が続いていました。
異変の兆候は、休養入りの数カ月前から現れていました。主演映画『てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜』の公開プロモーション、さらに一人舞台『二人前』の準備が重なり、岡村隆史のメンタルは限界に達していたのです。後の特番インタビューや自著、ラジオでの本人の述懐によると、当時は「一睡もできない」「頭が常にフル回転してパニックになる」「財布にお金が何十万円も入っているのに『自分は一銭も持っていない、破産する』と思い込む」といった強烈な認知の歪みと強迫観念に支配されていました。
楽屋でも誰とも会話を交わさず、虚空を見つめて震えている姿を共演者やスタッフが度々目撃していました。ギリギリまで責任感だけでカメラの前に立ち続けていたものの、現場での会話が成立しなくなる限界点を迎え、緊急休養という苦渋の決断が下されたのです。