犯行直後の八田容疑者の行動は、パニックに陥りながらも冷酷な自己保身に特化した異様な足取りを示しています。衝突後、現場から数百メートル離れた別府スパビーチ付近のリゾートホテル駐車場やヨットハーバー方面へ車両を乗り捨て、そこから裸足の状態で逃走を開始しました。
現場周辺の防犯カメラには、黒のTシャツに短パン姿、裸足で全力疾走する八田容疑者の姿が記録されていました。その後、北浜温泉街方面へ向かう路地で脱ぎ捨てられたTシャツや履物が発見されたものの、そこから先足取りは忽然と途絶えています。
大分県警は連日数百人規模の捜査員を投入し、山中や海岸線の捜索、別府港を発着するフェリー乗り場、JR別府駅などの交通結節点を封鎖・監視しました。しかし、スマートフォンの位置情報やクレジットカードの利用履歴といったデジタルタトゥーは事件直後から完全に停止。あらかじめ逃走ルートを想定していたのか、あるいは現場で瞬時に逃亡用の現金や着替えを調達する協力者がいたのか、初動における「痕跡の消去」は極めて不自然なほど迅速でした。