検索エンジンで「蒲田行進曲 キャスト」と打ち込むと、サジェストに「死亡」という不穏なワードが浮上します。前述の通り主演3人は極めて壮健ですが、なぜこのような検索が後を絶たないのでしょうか。その背景には、作品を彩った名脇役や制作陣の旅立ちがあります。
最も映画ファンに衝撃を与えたのは、銀ちゃんの新しい愛人・朋子役を演じた高見知佳さんの訃報です。天真爛漫なアイドル・タレントとして親しまれ、劇中でも小夏を嫉妬させる若き恋敵を好演した高見さんは、2026年12月21日、卵巣がんのため60歳の若さでこの世を去りました。愛媛県新居浜市での政治活動への挑戦など、晩年までバイタリティに溢れていただけに、早すぎる死を悼む声がネット上に溢れました。
劇中映画の監督役として、理不尽かつユーモラスに現場を仕切る姿が強烈だった蟹江敬三さんも、2014年4月に胃がんのため69歳で逝去されています。また、東映京都撮影所を思わせる劇中劇の撮影現場で威厳を放った所長役の成田三樹夫さんは1990年に55歳で、大部屋の殺陣師を演じた名バイプレイヤーの榎木兵衛さんも2026年に92歳で永眠されました。
何より、この伝説を生み出した創作者たちもすでに鬼籍に入っています。大階段の修羅場を妥協なき熱量で撮り上げた深作欣二監督は2003年1月に72歳で、人間の剥き出しの業を言葉に紡ぎ出した原作者・脚本のつかこうへい氏は2010年7月に62歳で亡くなりました。さらに舞台版でヤス役を演じ、映画版とは異なる切なさを残した沖田浩之さんが1999年に36歳で急逝したことも、ファンの記憶に強く刻まれています。
このように、映画公開から星霜を経て、名作を支えた錚々たる才能たちが鬼籍に入った事実が、現在の「キャスト死亡説」のリアルな実態と言えます。