経営陣の近代化は、末端の社員や企業風土にどのような変化をもたらしているのでしょうか。オープンワーク等の企業口コミや社員への取材から浮かび上がる現場のリアルは、期待と戸惑いが入り混じる複雑な様相を見せています。
肯定的な声として最も多いのは、「経営方針の透明性が劇的に向上した」という点です。かつては創業家の意向一つでプロジェクトが白紙撤回されたり、不可解な人事異動が行われたりするブラックボックスが存在していました。しかし、玉塚体制への移行後は、各事業のKPIが数値で明確に示され、成果に対する納得感が高まったと評価されています。
一方で、長年培われてきた「終身雇用を前提とした家族的風土」と、玉塚氏が持ち込んだ「外資系・流通大手流のスピード感」の間に生じた摩擦を指摘する声も根強く残ります。
「スピードを求められるあまり、現場の職人的な味づくりや地道な品質改良のサイクルが圧迫されている」「上場企業並みのコンプライアンス管理が増え、社内報告業務が激増した」といった本音は、急速なガバナンス近代化を進める過渡期特有の産物です。生え抜きの中島氏が現場の緩衝材となり、急激な変革による現場の疲弊を食い止めているのが実情です。