おぼん・こぼんの確執が表面化した背景には、単なる性格の不一致にとどまらない、芸人としての矜持と組織内での立ち位置を巡る深い葛藤がありました。関係者の証言や当時の報道を総合すると、決定的な亀裂が入ったのは2015年に行われた一般社団法人漫才協会の理事選挙です。
当時、漫才協会の副会長を務めていたおぼんに対し、平理事だったこぼんが選挙でより多くの票を集めて上位当選を果たしました。この結果そのものに加え、事前の根回しや投票行動に対する疑念、さらには協会運営の方針を巡る意見の対立が噴出。もともと几帳面で情熱家のおぼんと、マイペースで職人気質のこぼんという対照的な性格が災いし、決定的な感情のすれ違いへと発展しました。
舞台上ではプロとして完璧なリズムの漫才を披露しながらも、舞台袖に一歩引けば楽屋は別々、挨拶も交わさず、目すら合わせないという異常事態が定着。マネージャーや関係者を介さなければ意思疎通ができない「完全な冷戦状態」がおよそ10年間にわたって続くことになりました。