美瑛や富良野エリアにある大規模ガーデンの多くが入園料を設定する中、ぜるぶの丘が入園料無料の理由について疑問を抱く旅行者は少なくありません。丹精込めて手入れされた数千平米もの花壇を維持するには、莫大な人件費や苗代、肥料代がかかります。それにもかかわらずチケットブースすら設けない背景には、創業時からの明確な哲学と巧みな収益構造が隠されています。
「ぜるぶ」という名称は、「かぜ」「かおる」「あそぶ」の後ろの文字を組み合わせて名付けられました。美瑛の澄んだ風を感じ、花の香りに包まれ、心ゆくまで遊んでほしいという創業精神が根底にあります。そして経済的な裏付けとなっているのが、園内で展開されるアミューズメントや物販の収益です。
敷地内を疾走する遊覧バギーやカートの搭乗料、美瑛産メロンやラベンダーソフトクリームを販売するテイクアウトカフェ、さらには北海道限定銘菓や木工クラフトを取り揃えたショップの売上が、そのまま庭園の維持管理費へと充当されています。誰もが気軽に立ち寄れるオープンな憩いの場として門戸を開き、訪れた人々が心地よくお金を落としていく循環が機能しているからこそ、入場無料という贅沢な環境が守られ続けています。