『ドリフ大爆笑』を象徴する人気演目である「雷様」の誕生秘話には、過密なテレビ収録現場ならではのエピソードが存在します。当時、コントの構成やセリフ合わせには膨大な時間が費やされており、メインで体を張るメンバー以外の待ち時間が長引くことも珍しくありませんでした。
そんな中、マイペースにくつろぐ高木ブーさんの姿を見たリーダーのいかりや長介さんが、「ブーたんのあの独特な空気感をそのままコントにできないか」と着想を得たことがすべての始まりでした。作り込まれた台本通りに動く従来のザ・ドリフターズの名作コントとは一線を画し、演者同士の自然な掛け合いをベースにするという逆転の発想から企画が立ち上がったのです。
初期の収録では大まかな設定と導入の流れだけが決められており、実際のやりとりの大半はアドリブの真相とも言えるフリートークで構成されていました。いかりやさんが話を振り、仲本工事さんが軽快にパスを出し、高木さんが絶妙な間合いでとぼけた返答をする。この台本に頼らない生々しいライブ感こそが、雷様がお茶の間の心を掴んだ最大の理由でした。