学校や職場、静まり返ったオフィス、恋人とのデート中など、人間関係の場において「おならを絶対に漏らせない」という社会的制約は強力に働きます。しかし、この生理現象を無理やり力づくで抑え込む行為には、相応の肉体的代償が伴います。
SNSやネット掲示板上でも「会議中におならを我慢しすぎて脂汗が出て動けなくなった」「脇腹あたりをナイフで刺されたような激痛に襲われた」といった体験談が後を絶ちません。我慢を続けると、腸管の内圧が異常に上昇し、腸壁の知覚神経が強く刺激されて激しい痙攣痛を引き起こします。
では、限界まで我慢して腹痛に襲われた場合、どう対処すべきなのでしょうか。「おなら我慢腹痛の治し方」の初動は、まず「腹壁の脱力」です。
トイレなどのプライベート空間へ逃げ込んだら、便座に座り、前かがみの姿勢をとって深呼吸を繰り返します。このとき、無理に腹圧をかけて「出そう出そう」といきむのは逆効果です。肛門括約筋や骨盤底筋群が緊張してしまい、かえってガスの出口が固く閉ざされてしまいます。両腕を太ももの上に乗せ、息を口から細く長く吐き出しながら、お腹の底の力を完全に抜いてください。副交感神経が優位になれば、腸管の痙攣が解け、数分以内に自然な排ガスが訪れます。
なお、「我慢したおならはどこへ行くのか」という疑問に対し、一部のガスは腸壁の毛細血管から血液中へと吸収され、全身を巡って最終的に肺から「呼気」として排出されます。つまり、おならの我慢は、口臭や肌荒れの遠因にもなり得るという紛れもない事実が存在します。