教育関係者の間で今期最も注目を集めたのが、大学附属校および中堅上位進学校への志願者集中です。近畿大学附属高校、桃山学院高校、上宮高校といったメガスクールでは、複数学科・コースの併願重複出願を含めた総出願倍率が軒並み10倍を超える凄まじい数字を叩き出しました。
ただし、ここで受験生と保護者が冷静に見極めなければならないのは、「見かけの表面倍率」と「実質倍率」の決定的な違いです。私立高校の入試制度では、公立高校を第一志望とする併願受験生が大量に含まれています。高校側は、公立合格者が入学辞退することを想定し、定員の数倍から場合によっては10倍近い合格者をあらかじめ出します。そのため、表面倍率が10倍であっても、実質的な合格倍率が1.2〜1.5倍前後に落ち着くケースは珍しくありません。
しかし、2026年入試で警戒すべきは、その併願歩留まりの前提が崩れ始めている点です。桃山学院の専願出願状況や近大附属の出願内訳を精査すると、専願受験者の比率が明確に上昇しています。専願者が増えれば、高校側は公立への流出を見越した「水増し合格」を減らさざるを得ません。結果として、併願受験生の合格ラインが跳ね上がり、公立トップ校を目指す学力層が私立併願でまさかの不合格通知を受け取るという「併願ショック」が多発しています。
また、関西大学の直系・併設校である関西大学高等部などの大学直結型校では、大学受験回避と無償化メリットを両獲りしようとする層が専願に押し寄せ、確実な安全圏と目されていたラインが数段押し上げられる事態となっています。