季節の挨拶状として送る「暑中見舞い」は、添える一言によって絵の魅力が何倍にも増す。絵手紙の普及に長年貢献してきた日本絵手紙協会でも、飾らない素直な言葉の大切さを伝えている。立派な文章を書こうと気負う必要はない。「暑いね」「元気にしていますか」「夕立のあとの風が心地よいです」といった、日常の些細な実感を素直な文字で書き添えるだけで十分だ。
文字は絵の余白部分に、絵と同じ筆と墨を使って書くのが基本だ。巧みな達筆である必要はなく、むしろ少し歪んだ文字のほうが、描き手の温もりや感情がダイレクトに相手に伝わる。絵と文字が一体となったハガキを受け取った人は、まるで送り手が目の前で語りかけてくれているかのような温かい気持ちに包まれる。