本坂トンネルの噂と心霊現象の真相|旧道閉鎖の歴史と現場検証

本坂トンネルの噂と心霊現象の真相|旧道閉鎖の歴史と現場検証

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本坂トンネル周辺の怪談を語る上で必ず引き合いに出されるのが、峠の尾根付近に鎮座する通称「首狩り神社」です。一部のオカルトメディアや動画配信者によって「かつて処刑場があった」「首を落とされた亡霊が徘徊する」といったショッキングなナレーションが付けられていますが、これは明らかな風評と歪曲です。

この神社の正式名称は「浅間神社(本坂浅間社)」であり、富士信仰に基づき木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ)を祀る由緒ある地域の神社です。「首狩り」という物騒な俗称が付いた背景には、以下のような複数の要因が絡み合っています。

  • 急勾配の参道と石段:山頂付近の社殿へ至る石段が異常に急峻であり、足を滑らせれば命に関わる危険な地形であること。
  • 頭部が欠落した石仏・狛犬の存在:明治期の廃仏毀釈や経年劣化、自然災害によって破損した石造物が、あたかも人為的な破壊・処刑の跡のように誤認されたこと。
  • 戦国時代の合戦伝承との混同:三ヶ日周辺に点在する武田・徳川の古戦場伝説や首塚の話が、オカルトブーム期に地理的・歴史的文脈を無視して結び付けられたこと。

地元住民や氏子の方々にとっては先祖代々受け継いできた神聖な祈りの場であり、夜間に肝試し感覚で訪れた侵入者によるゴミの不法投棄や鳥居への落書きなど、深刻なマナー違反被害が報告されています。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。