市原ぞうの国の象徴であり、国内外の動物ファンから格別の愛好を集める存在が、2007年に日本で初めて準間接飼育・自然繁殖に成功したアジアゾウのゆめ花です。
ゆめ花が見せるパフォーマンスの中でも、とりわけ来園者の度肝を抜くのが「お絵かき」のデモンストレーションです。太い鼻先で繊細に筆を握り、キャンバスに季節の花や自らの姿を描き出す描写精度は、単なる芸の域を超越した知的芸術活動として評価されています。現場で描かれた作品はオークションや記念販売に回され、その収益金はアジアゾウの保護活動や園内の施設改善費に充当されるサイクルが確立されています。
そして、来園者の大半が目当てとするのが、巨体の背中に乗って園内を散策できるぞう乗り体験(エレファントライド)と、鼻で抱き上げられて記念撮影を行う「ぞうリフト」です。ここで注意すべきは、その激烈な争奪戦です。
象の体調管理と安全確保のため、ぞう乗り体験は1日あたりの参加枠が極めて厳格に制限されています。原則として当日現地での先着順受付となっており、天候やゾウのコンディションによって受付数が変動します。週末や大型連休には、午前の回が開園からわずか20分足らずで予定枚数を終了するケースが頻発しています。「せっかく行ったのに乗れなかった」という悲劇を防ぐためには、開園時刻の最低30分前には現地に到着し、入場ゲート最前列に並ぶ覚悟が求められます。
また、園内各所で販売されている「おやつのバケツ(1個500円・ニンジンやバナナ入り)」は、必ず1人1個以上確保しておくべきマストアイテムです。長い鼻を直接伸ばして手元から果物を受け取るゾウの息遣い、鼻先のザラザラとした皮膚の質感、そして器用に食べ物を口へ運ぶ知性を至近距離で体感することは、図鑑や映像では決して得られない一生モノの原体験となります。