松原タニシの活動を語る上で欠かせないのが、自ら撮影・収集した心霊写真や音声データの存在です。彼の部屋に設置されたWEBカメラには、誰もいないはずの部屋を横切る白い影や、空間を浮遊する発光体、深夜に鳴り響くインターホンの記録などが保存されています。
これらの現象について、本人は「幽霊が絶対にいる」と断言するのではなく、「原因は特定できないが、現実にこういう現象が記録された」という姿勢を一貫して保っています。この冷徹なまでの記録精神が、怪談ファンのみならず科学的・民俗学的な関心を持つ層をも惹きつける理由です。
2020年に公開された映画『事故物件 恐い間取り』(中田秀夫監督)では、KAT-TUNの亀梨和也が松原タニシをモデルとした主人公・山野ヤマメ役を熱演し、興行収入23億円を突破する大ヒットを記録しました。映画ではホラーエンターテインメントとしての派手な演出が加えられましたが、松原タニシ本人が語る実話怪談の真髄は、むしろ「日常の中にじわじわと侵食してくる違和感」にあります。映画化以降も彼は浮き足立つことなく、地道な現場取材と証言収集を続けています。