新幹線運賃の力学において、各駅停車タイプの「こだま」は、速達性列車との輸送格差を埋めるため破格のパッケージ商品が惜しみなく投入される激戦区です。旅行代理店やJRグループのツアー会社が企画するこれら格安プランは、乗車券ではなく「企画旅行商品」という法的位置づけであるがゆえに実現しています。
東海道新幹線の定番であるぷらっとこだま予約は、JR東海ツアーズが提供する看板施策です。EXサービスのアプリからもシームレスに予約可能となり、東京〜新大阪が11,100円前後で固定され、さらに車内や駅売店で交換可能なワンドリンク引換券(ビール等のアルコールも選択可能)が付帯します。「のぞみ」に比べて所要時間が約1時間半余計にかかるものの、「急がない旅ならコンセント付き座席で読書や作業をしつつ、ゆったり移動できる至高のコスパ手段」としてSNSや旅行記ブログでの高評価が定着しています。
さらに強烈な値引き率で鉄道ファンを驚嘆させているのが、日本旅行が取り扱うバリ得こだま詳細まとめです。山陽新幹線区間(新大阪・新神戸〜小倉・博多)を対象とし、通常15,000円を優に超える区間が8,000円台後半、時期によっては半額近い水準まで引き下げられます。特筆すべきは、「こだま」だけでなく一部の「ひかり(山陽新幹線内各駅停車・速達タイプ)」も対象列車に含まれている点です。ひかり号を巧みにセレクトすれば、所要時間を大幅に短縮しながら「のぞみ」と同等の快適な座席環境を信じがたい廉価で手に入れる裏技が成立します。
そして、現地で1泊以上の滞在を予定している旅行者にとって、あらゆる単体予約を過去のものにするのが新幹線ホテルパック格安の存在です。日本旅行、JTB、じゃらん、楽天トラベルなどの旅行予約プラットフォームが、座席一括仕入れの「包括旅行運賃(マル契)」と契約ホテルの客室在庫をアルゴリズムで最適マッチングさせます。「往復の新幹線指定席代に数百円から数千円上乗せしただけで、都心部ビジネスホテルの1泊宿泊権が付いてきた」という逆転現象が日常茶飯事で発生するのは、この卸値ルートの仕組みがあるからです。