いま国際的な注目を集めているのが、エピジェネティクス(環境による遺伝子発現の変化)の視点だ。過酷な環境下で幼少期を過ごした孤児たちが親となった今、その子供たち(第二世代)にも不安障害やストレス耐性の低さが見られるという研究結果が相次いでいる。
過剰な心理的ストレスがDNAの修飾を通じて次世代へと引き継がれる可能性が指摘されており、「国家の過ち」が世代を超えて人々を蝕む現実が示されている。トラウマの連鎖をどのように断ち切るのか。心理カウンセリングや社会的介入の重要性が、かつてないほど高まっている。