道の駅しかおいの個性を決定づけている最大の要素が、敷地内に隣接する神田日勝記念美術館の存在です。道の駅から渡り廊下で直接アプローチできる設計となっており、ドライブの途中に本格的な美術鑑賞が楽しめる構造は全国的にも極めて珍しい事例といえます。
画家・神田日勝(1937〜1970)は、東京から鹿追町へ入植し、過酷な開拓農民としての労働に従事しながら、魂を削るようにして油彩画を描き続けた孤高のリアリズム画家です。NHK連続テレビ小説『なつぞら』に登場した青年画家のモチーフとなったことでも広く知られています。
館内には、ベニヤ板にペインティングナイフで描かれた力強い筆致の作品群が展示されており、中でも絶筆となった未完の大作『馬(絶筆・未完)』は、観る者に圧倒的な衝撃と感動を与えます。十勝の大地で生きた人間の生の記録と祈りが刻まれた展示室は、訪れる旅行者にとって単なる観光を超えた深い記憶を残す場所となっています。