訪問販売業者や一部のリフォーム会社が提示する「今なら足場代を無料にします」という甘いセールストークには、業界構造的な裏が存在します。仮設足場の架設には、トラックの配車、資材の運搬、国家資格を持つ鳶職人の人件費など、最低でも十数万円の実費が発生します。
「無料」を謳う現場の裏側を取材すると、削られたはずの足場費用が「塗料代」や「高圧洗浄費」「諸経費」などの他項目に分散して上乗せされているケースが約8割を占めます。さらに深刻なのは、コストを無理に圧縮した結果、無資格の作業員による乱暴な施工や安全設備の省略が行われ、以下のような重大トラブルに直結している点です。
- 建物や設備の破損事故:足場部材を壁面や雨樋、カーポートのポリカーボネート波板にぶつけ、破損させたまま隠蔽しようとするケース。
- 近隣敷地への不法侵入・塗料飛散:メッシュシートの固定が甘く、高圧洗浄の水しぶきや塗料ミストがお隣の車や外壁に付着して損害賠償問題に発展。
- 養生不足による道路・敷地の傷:トラック荷台からの部材荷下ろし時に、養生マットを敷かずにインターロッキングや舗装を欠損させるトラブル。
現場監督経験者の証言によると、「安全と品質を担保した足場架設には相応の原価がかかる。『無料』を強調する業者は、施工品質か近隣配慮のどこかに致命的な手抜きを抱えていると警戒すべき」というのが建設業界の一致した見解です。