ネット上で飛び交う「飲むだけで脂肪が消える」という言説は、生薬学的な見地から言えば完全な誤解です。医療用医薬品添付文書やクラシエ等の公式資料に明記されている通り、当帰芍薬散の効能は「筋肉が一体に軟弱で疲労しやすく、腰脚の冷えやすいものの月経不順、月経痛、更年期障害、貧血、むくみ、めまい」などであり、効能欄に「肥満症」の文字はありません。
それにもかかわらず、当帰芍薬散で痩せる理由として確かな変化が報告される背景には、東洋医学における「水毒(すいどく)」と「血虚(けっきょ)」の解消があります。当帰芍薬散は、血(けつ)を補い巡りを整える「トウキ」「シャクヤク」「センキュウ」の3生薬と、体内の滞った水分を体外へ導く「ソウジュツ(またはビャクジュツ)」「ブクリョウ」「タクシャ」の3生薬で構成されています。
体液循環が滞り、細胞の間に余分な水分が滞留している状態、いわゆる水太りの女性が服用した場合、尿量が増加して細胞間の余剰水分が一気に体外へ排出されます。この当帰芍薬散によるむくみ解消と体重減少は、脂肪の減少ではなく「細胞に溜め込まれていた余分な水(1〜2リットル相当の液体)」が抜けることによって生じる物理的な変化です。水分代謝が正常化することで、慢性的な当帰芍薬散による水太りの体質改善へとつながり、結果として引き締まったボディラインが手に入ります。