外科的なアプローチとして一般的な舌小帯切除術において、特に警戒しなければならないのが術後の再癒着と瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)です。舌の裏側は血流が豊富で粘膜の治癒スピードが非常に速いため、切開した傷口同士が再びくっついて元の状態に戻ろうとする強い生体反応が起こります。
創部が治る過程で線維組織が異常に増殖すると、傷跡がケロイドのように硬く縮こまり、舌先が引っ張られて上あごに届かなくなる後遺症を招くことも珍しくありません。単純にメスやレーザーで切り離すだけの切除術ではこの瘢痕拘縮が起きやすいため、傷口を横方向に縫い合わせて引きつれを防ぐ「舌小帯形成術」を選択するなど、術式の見極めと術後のストレッチ管理が成否を大きく左右します。