終電を逃した午前1時半。都内の住宅街にある店舗に入ると、店員の手によるレジ打ちの姿はない。天井に配置された数十台のAIカメラと重量センサーが、手に取った商品をリアルタイムで認識する。そのまま出口を通過するだけで、スマホ決済が完了する仕組みだ。
「人手不足の解消という次元を超えました」と語るのは、流通アナリストの佐藤氏だ。以前のような重苦しいレジ待ちは姿を消した。商品棚の在庫が減ると、裏方で待機する補充ロボットが即座に検知する。消費者が意識することなく、欲しいものが常に完璧な状態で並ぶ。効率化の極致がここにある。
一方で、接客の温もりが完全に消えたわけではない。セルフレジの横には、リモートで複数の店舗を見守る「オンライン接客カウンター」のモニターが設置されている。高齢者が商品の場所を問えば、画面越しのスタッフが笑顔で案内する。ハイテクとハイタッチの見事な融合だ。