明治時代、日本の山々に魅せられ山岳文化を開花させた英国人宣教師ウォルター・ウェストン。彼が飛騨山脈の初登頂を目指した際、この過酷な山行を支える拠点となったのがまさにこの地であった。厳しい山道を歩み切ったクライマーたちが、冷えた身体を温め、英気を養った歴史的な記憶が今も脈々と息づいている。
また、日本各地の貴重な温泉文化と環境を守り抜く取り組みである「日本秘湯を守る会」の創立期からの会員宿として、安易なリゾート開発の波に呑まれることなく、昔ながらの野趣あふれる湯浴みの佇まいを死守してきた。文化財的な価値すら漂う風情は、本物を求める旅人を惹きつけてやまない。