鈴村健一の活動は、一人の役者にとどまらない。2012年には自ら声優プロダクション「株式会社インテンション」を設立。代表取締役を務めながら、自らもプレイヤーとして第一線に立ち続けている。自社を設立した背景には、過酷化する声優業界において、役者たちが真に表現へ没頭できる環境を作りたいという強い信念があった。
経営者としての視点を得たことで、彼の演技はより多角的な深みを増した。作品全体を俯瞰し、自分がどのポジションで声を張ればシーン全体が引き締まるのかを熟知しているのだ。この客観的な視点と職人的なこだわりが、伊黒小芭内という難度の高い役柄においても遺憾なく発揮されている。