店舗から飛び出し、街中を駆け抜ける移動販売車もまた、この店の象徴だ。諏訪市内はもちろん、山間部の小さな集落や高齢化が進む地域へと、毎日たくさんのパンを載せて車を走らせる。
パフパフと親しみやすいクラクションが響けば、家々から人々が顔を出す。買い物が困難な地域への食料支援という側面を持ちながら、それ以上に大きな役割を果たしているのが「居場所」の提供だ。パンを選ぶ数十秒の間に交わされる近況報告や何気ない雑談。途絶えがちだった地域コミュニティに、移動販売車が再び温かな血を通わせている。ビジネスと社会貢献が無理なく融合したこのスタイルは、過疎化に悩む全国の自治体からも熱い注目を集める。